気象病

はじめて聞いた気象病。
新年2日読売新聞に掲載があった記事です。

天気の変化が原因で起きる体調不良は、「気象病」と言われていて、めまいや頭痛、古傷の痛み、関節痛などの症状が代表的で、患者数は増加傾向にあり、1000万人以上が悩んでいるとの推計もあります。

なぜ起きる?
 主な原因は、気圧の変化です。飛行機に乗ったり、エレベーターで移動したりすると、耳がおかしく感じることがあります。
 耳の鼓膜の奥には、気圧の変化を感じる「内耳(ないじ)」という器官があり、脳は、内耳から伝わった情報を基に、周囲の環境に体を順応させようとします。
 しかし、内耳のセンサーが敏感に反応しすぎると、わずかな気圧の変化でも脳に過剰な情報が伝わってしまいます。この結果、自律神経が乱れて、体に様々な変調が起きます。

どんな症状?
 自律神経のうち交感神経が活発になると痛みを感じ、副交感神経が活発になるとだるくなったり眠くなったりします。
 心臓発作やぜんそくなどの持病が悪化する恐れもあり、軽く考えるのは禁物です。
 特に、雨が降る時や、台風の接近に伴って気圧が低下する時に症状を訴える人が多くみられます。夏から秋にかけての台風シーズンはもちろん、冬でも日本の南側を低気圧が通過する時などは注意が必要です。
 近年は、大型で強い台風が発生するケースも目立ち、症状を訴える人が増える傾向にあります。

どう治すの?
 内耳のセンサーが敏感に反応するのを抑えれば、症状の改善につながります。
 まずは、気象病の予兆であるめまいが出るタイミングで、抗めまい薬を飲むことが効果的とされています。抗めまい薬には、内耳の血流を改善する働きがあり、内耳の状態を整えてくれるようです。
 漢方薬の「五苓散(ごれいさん)」は水分の循環をよくする作用があり、抗めまい薬と似た効果があります。「抑肝散(よくかんさん)」には神経の高ぶりを抑えたりする作用があります。
 気象病の改善に効くとされるツボも手や足にあります。
ただ、抗めまい薬などで気象病の元になる持病までは治らず、それぞれの持病に対応した治療が必要なことは言うまでもありません。

どう防ぐ?
 普段から内耳の血流を良くしておけば、自律神経が整い、気象病の予防や改善につながります。
 マッサージも有効です。両耳を軽くつまんで、上下横に5秒ずつ引っ張ったり、耳を横に引っ張りながら後ろに回したりしてください。
 天気と体調の変化を日記につけて、気象病の症状がいつ出るのかを予測すれば、あらかじめ薬で対処できます。地域ごとに気象病に注意すべきタイミングをスマートフォンなどで知らせてくれるアプリもあります。
 自律神経を整えるためには、十分な睡眠、適度な運動も不可欠です。規則正しい生活を心がけましょう。

当院コンフォートスタイルでも耳のマッサージや頭部のマッサージは必ず触れる場所になります。また自律神経を調律するコンフォートセラピーではご自宅で簡単にできるホームワークなどもご案内しています。

島田雅司