求人面接や同業の交流会などで、よく聞かれることがあります。「先生は鍼は何流ですか?」と。あるいは、応募者の方から「私は〇〇流でやってきました」とアピールされることもあります。
もちろん、それぞれの流派には、先人たちの知恵と経験が詰まっており、学ぶべき点は多くあります。長年培われてきた技術や考え方は、私たち治療家にとってかけがえのない財産です。しかし、私が常々感じているのは、鍼灸やマッサージはあくまでも「方法」に過ぎないということです。私たちの本当の目的は、目の前にいる患者様(そしてその抱える傷病)を、より良い身体の状態へと導くこと。
残念ながら、時折「方法」が「目的」になってしまっているのではないかと感じる場面に遭遇します。「〇〇流だからこうするべき」「この資格を持っているから大丈夫」といった考え方が先行し、患者様一人ひとりの状態を丁寧に観察し、その方に本当に必要な治療を見極めるという、最も大切な視点が置き去りにされているような気がするのです。
情報が溢れかえり、何が正しいのかが分かりにくい現代において、確固たる「型」や「資格」に頼りたい気持ちも理解できます。不安定な時代だからこそ、目に見えるものに安心感を求めてしまうのかもしれません。
しかし、私たちの仕事は、生身の人間を相手にする仕事です。教科書通りにはいかないことばかりですし、同じ症状に見えても、原因や身体の状態は千差万別です。
だからこそ、私は常に「目の前の患者様をしっかり見て、その方の声に耳を傾け、今、何が最も必要かを考える」という原点に立ち返ることを大切にしています。
〇〇流という看板も、立派な資格も、患者様をより良くするための「道具」の一つに過ぎません。その道具をどのように使い、患者様の笑顔に繋げていくのか。それが私たち治療家の本質であり、追求すべき道だと信じています。
もし、あなたが治療院選びに迷われているのであれば、流派や資格だけでなく、その先生がどれだけあなたの話に耳を傾け、真摯に向き合ってくれるかという点にも注目してみてください。きっと、あなたにとって最良の治療院が見つかるはずです。
治療院コンフォートスタイル
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