先週から当院スタッフの真田先生と勝俣先生が、予約の隙間で大掃除を始めてくれています。普段見過ごしがちな細部まで丁寧に磨き上げてくれている姿を見て、スタッフながら本当に嬉しく思っていました。
その様子を見て、ふと「大掃除」のルーツは何だろう?と調べてみました。
大掃除とは、実は平安時代の宮中行事である『すすはらい』が起源で、江戸時代には庶民にも広がったそうです。電気がない時代、天井やふすまなどに溜まった煤(すす)を落とすことが目的でした。特に蝋燭(ろうそく)を使う生活では、この「煤」を払うことが欠かせなかったのですね。
そして現代では、この「すすはらい」の習慣は、「一年間の汚れや厄を払い、新しい年を迎える神様(歳神様)をお迎えするための準備」となっています。新年を気持ち良く始めるための、日本人にとって大切な文化です。
今では、単に物理的な汚れを落とすだけでなく、年末の断捨離や心の整理といった「リセット」の意味を持つようになっています。
実は、私たちの体もこの時期、目には見えない大掃除とリセットを繰り返しています。
十二月になると、多くの方が髪の毛を整えたり、ネイルをきれいにしに行きます。これは、新年を新しい気持ちで迎えたいという心理の表れでしょう。
しかし、意識しているかどうかに関わらず、私たちの体は常に生え変わり、再生し、生まれ変わっています。爪、皮膚、筋肉、骨、そして内臓の細胞まで。
私たちの体の中では、「体はの中では生まれ変わりの連続が常に起きている」のです。
私たち治療者、セラピストは、十二月に入ると、この再生のお手伝いや生まれ変わりのサポートをさせていただいています。
すすを払って年神様を迎える準備をするという「歴史的背景のあるサポート」と、人間の持つ「再生という大きな生命力」に、この仕事を通して携わってきたかと思うと、改めて光栄に感じます。
電気もなかった時代に、天井に積もった煤(すす)を払うことは、快適に生きるために必要不可欠なことでした。
まさに今、現代の私たちは、ストレスや疲労、生活習慣の乱れといった『目に見えない「煤」』が存在している時代に生きています。そして、もしかしたら当時の物理的な煤よりも、現代の精神的な煤の方が色濃く、深く積もっているのかもしれません。
鍼灸やマッサージの施術は、この目に見えない疲労という名の「煤」を払う行為です。血流やリンパの流れを整え、自律神経をリセットすることで、本来備わっている身体の再生力を高めるお手伝いをします。
清々しい気持ちで新しい年を迎えるために、この年末は、ぜひ私たちと一緒にあなたの身体の「すすはらい」を行いましょう。
今日は、看板を洗って日向干ししました♪

