婦人科疾患vol.3 肩こりと自律神経

 
肩こりは女性だけに限りませんが、女性に多く見られるのは、男性に比べて筋肉量が少ないことがあげられます。
冷えに伴う血行不良、ホルモンバランス、生活スタイル、自律神経の乱れも大きな要因です。
 
今回は「自律神経」に注目し、マッサージでなぜ自律神経を整える事ができるのか、
なぜ自律神経を整えると肩こりを解消できるのか、その仕組みをお話しします。
 
 
まず、交感神経と副交感神経を合わせて「自律神経」と呼びます。
自律神経は、自分ではコントロールできない動き(心臓や血管の収縮、呼吸、消化、体温調節、瞳孔や筋肉の動きなど)を、寝ている時も、起きている時も、無意識でコントロールしてくれます。
交感神経と副交感神経はどちらかが優位であれば良いというものではなく、それぞれがバランス良く機能することが大切です。
 
動物が敵に襲われそうになった時、戦うか(fight)、逃げるか(flight)、瞬時に身体を動かせるように身構えます。あるいは恐怖で身体がすくんでしまう(freeze)するかもしれません。いずれにしても交感神経がフル活動して、身体が固くなっている状態です。
※いつでも瞬時に身体を動かせる状態。
「fight or flight」または「fight or flight or freeze」反応と呼びます。
 
敵に襲われそうになった時、目を見開き、心臓がバクバクし、手足や脇に汗が吹き出ます。
当然、食事、排泄をしている場合ではありません。これらの反応が全て交感神経が優位になった時の反応です。
 
逆に、安全な場所でリラックスしている状態が副交感神経が優位になっている状態です。
※筋肉が緩んでいるので、瞬時には動けない状態。
 
自律神経の働きを抜粋すると
◾️ 交感神経系
 血管→収縮
 筋肉→緊張
 呼吸→浅く早くなる
 胃、腸→抑制(消化が悪くなる)
 膀胱→拡大(トイレを忘れる)
 
◾️ 副交感神経
 血管→拡張(マッサージ後に鼻がつまる)
 筋肉→弛緩(ゆるむ)
 呼吸→ゆっくり深くなる
 胃、腸→促進(お腹が空く)
 膀胱→縮小(トイレに行きたくなる)
 
肩こりは、敵に襲われそうになった時の状態に近いのです。
仕事に追われている、プレッシャーでストレスを抱えている、力が抜けない、気が休まらないなど。
 
肩こりの治療は、
①直接的なアプローチ
筋膜リリースや筋肉の硬結をマッサージや鍼で取り除くことで、老廃物を流し、血行を促進させる。
②間接的なアプローチ
背部圧迫やリズムで呼吸をコントロールし、「気持ち良い」「リラックスした」と感じることで、副交感神経優位になり、血管が拡張し、筋肉が弛緩する。
以上のように直接、間接的、両面からのアプローチができます。
 
マッサージで身体が楽になり、
「気持ちいい、リラックスした」と感じることこそが、副交感神経を働かせ、さらに
血行が良くなり、筋肉を弛緩(ゆるむ)させます。
 
これが、マッサージで自律神経を整え、肩こりを解消する仕組みです。
朝は交感神経が優位に、夜になると副交感神経が優位になるという自然の仕組みもあります。
身体に宇宙を感じます。
 
私達が施術で意識していることは、筋肉を細部まで丁寧に捉えること、
呼吸までコントロールし、自律神経に働きかけることです。
食事や生活習慣などの改善までお手伝いさせて頂きます。
肩こりのつらい症状を、あきらめずに、ご相談ください。