寒暖差疲労

昨日は暖かい陽気で、春の気持ちいい風が吹いていましたね!

さて最近、身体がだるい。なんだか調子が優れない。急に腰が痛くなってきた。
などの症状を訴えて来院される方が増えてきております。

その原因の一つとして考えられるのが、「寒暖差疲労」です。
最近、朝10℃を下回る気温に対して、昼間20℃になるなど一日の気温差が10℃になる日が多くなってきています。
寒暖差疲労は、身体が気温の変化に適応しようと過剰に働く事で身体への疲労を招いてしまうというものです。一日の気温差が7℃以上あると症状が起こりやすいとも言われております。

ここで理解しておきたいのが、身体が生まれ持っているホメオスタシスという仕組みについてです。
ホメオスタシスとは、身体が変化するのを拒み、一定の状態を維持する仕組みのことです。
例えば、外の気温が高くなっても、それに合わせて身体の体温が上がることはなく、体温を一定に保つことが出来ます。
それを維持するために自律神経が機能し、汗をかいたり、身体から熱を発生させることで体温を一定に調節し、変化から身体を守っているのです。
このように私たちの身体は常に一定の状態を維持しようとしており、外部環境の変化が大きいということは、それに合わせて身体は適応しようとエネルギーをかなり消耗します。

身体が元気な時はその変化に適応することが出来ますが、疲労が溜まっていたり、ストレスフルな状況は大きな変化に対して上手く適応出来ず体調を崩したり、不調に繋がります。
また、コロナ禍の影響で外に出る機会が減ることで気温に対する適応力が低くなり、急激な変化に身体が追いつかないといった方も増えてきております。
特に春先は気温差が激しいですので、変化に対応する適応力を養っていくことが大切です。

我々の行う鍼灸治療は身体のホメオスタシスを助け、自然治癒力を向上させる効果があります。
実際に我々が関わっていた大学病院での臨床研究では、鍼灸治療によって血圧が高い人は低くさせ、血圧が低い人は高くさせる効果があると実証されております。すなわちホメオスタシスを補助する効果といえると思います。

東洋医学では「陰極まれば陽となり、陽極まれば陰となる」という言葉があります。
我々の行う医療は偏りをなくし、中庸を目指していくことで健康で快適な生活をサポートして参ります。

季節の変わり目、特に身体の声に耳を傾けて過ごしてみてはいかがでしょうか?

 

※「中庸」とは、かたよりがなく、いつも変わらないという意味の言葉です。